1.表紙を外す | |||||||||||
製本用の糊は熱で溶けるので、コミック等のソフトカバーの装丁の 場合は比較的簡単に外せます。熱で糊を溶かした後、すぐに糊が 固まる為に、表紙の取り外しと「のど」から糊を取り去る作業は 一体です。 |
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注 意 |
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2及び3.見返し・遊び紙を本文から分離 | |||
見返しや遊び紙があれば、本文の最初のページまたは最終ページ と共に他の本文から外します。見返しや遊び紙の役割は本文を 保護する事ですから、本文との接着部分はかなり製本糊を厚く 染み込ませあります。 その為、他の本文とは別にして慎重に分離作業をする必要が あります。 |
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注 意 |
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4−1.「のど」の部分を解体する | ||
一般的な無線綴じの説明では1枚(表裏2ページ分)1枚が 重なり合って、「のど」の部分に糊が染み込むように筋を入れて 製本糊を塗るとなっていますが、主にコミックではそのような 製本は稀で、このように本文は4枚(16ページ分)一組でそれを 重ねて「のど」の部分に製本糊が塗られています。 |
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この4枚一組の束を解体して見開いた状態にすると、この図の ように「のど」の部分に一定間隔で穴が開けてあります。 |
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この4枚一組の構造は、図のように「のど」の部分に開けられた 穴を重ねる事で骨を作り強度を増します。ただ、外側になるほど 穴が広がってしまい強度を維持できないという弱点があり上質の 紙を使う傾向があります。 その為コスト高で、ページ数が少ない割りには本に厚みが出て、 その結果重くなる等、流通面では不利になります。 また16ページが一組になりますから、16の倍数ページに固定 されるので編集上も何かと不都合が起こります。 |
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そこで最近の「のど」の構造は、質の悪い紙でもある程度の 強度を維持できて、また「のど」の厚みを薄くする工夫が色々 なされています。 例えばこの図では、4枚一組の内、中側の2枚だけの穴を 重ねて、残り2枚は「のど」で分離して4枚にして挟むという 物です。 これならフリーになったページの枚数を適当に調整できるので 16ページの倍数に拘る必要がありません。 |
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その他にはこの写真のように丸い小さな穴を沢山開けて、 糊を染み込みやすくすると共に糊の接触面積を増やして 強度を上げているものがあります。 |
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また従来どおり一枚(表裏2ページ分)づつの紙を束ねる際に、一定枚数ごとに先に多量の糊をのどの部分に流し込んでおいて強度を増したものもあります。 | ||
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注 意 |
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製本糊は「のど」の部分に染み込んでいる為、ページ紙に付着した糊を除去する事はできません。 |
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解体のみを依頼されて、あとからご自分のスキャナーで取り込まれる場合は、けっして自動原稿 送り装置(ADF)を使ってはいけません。 センサーや送り込みローラー等に、圧力や摩擦熱で溶け出た製本糊が付着すると故障の原因に なります。 |
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また原稿台に乗せてスキャンする場合、装置本体から出る熱で糊が溶けだしますので、原稿台を 曇らせる原因になり、フィルムスキャン等の高解像度スキャン時には画像に悪影響が出る可能性が あります。 |
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ご自分でスキャンされる場合は、「のど」の部分から5ミリから 1センチ以上離して切断し、製本糊のカスがページに付着して いない事を確認してからセットして下さい。 万が一お客様のスキャナーあるいは取り込み画像に障害が出ても 当店は一切責任を負いません。 |
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4−2.「のど」の部分を裂く | |||
1ページづつバラバラにする為に「のど」のところで裂きます。 見た目は汚いですが、凸凹になる事で再製本時に糊の接触面積を増やす事になり骨の役割を してくれます。 |
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断裁機を使うと綺麗に一直線に切断できそうですが、4−1で説明 した補強の為の穴に、針のような紙屑ができてしまいます。 これは閉じた穴に製本糊が盛り上がるように付着しているので、 断裁した際に微妙に位置ズレが起って作られます。 この紙屑は断裁時の圧力で溶けた製本糊により付着しているだけ なので取れ易く、スキャン時には原稿台の上に落ちてスクリーン トーンの模様を崩す原因になります。 |
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4枚一組または2枚一組の内の一番中側のページを見開いた 状態で、極まれに2ページに渡って1枚の絵や写真が掲載されて いる場合があります。 当然中側のページは表裏4ページ分が1枚の紙でできています。 このような場合は「のど」の部分を引き裂かず絵や写真を温存する ようにします。 |
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注 意 |
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糊止めのページがある場合 | |||
イラスト等のグラビアページが付いていた場合、最近ではここに 何層ものページを糊止めで付け足すようになりました。 |
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このように剥がす事は可能ですが、ページが薄い割に糊が強力 なので、傷やシワ、あるいは破れたりする場合があります。 |
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注 意 |
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